BGA2

Gar♪goyle

Micelle

⚠NSFW⚠ 珍しく石像として生まれてきた彼女は、まず収入を得るために仕事を探しはじめた。 最初はその特質を活かして漬物の置き石や見張りなんかを行ったが、ほんの些細なことで首が折れたり、指が割れたりして上手く行かなかった。 ある日のこと、地方紙で彫像のモデルを募集していた一羽の彫刻師の元へ赴いた。 彼は『読んで字の如く』の者が訪ねたことにも驚きつつ、彼女の撓やかな造形に甚く感動し、"なにか僕にできることはないか"と協力的な態度を示した。 そのとき、彼女は"仕事に同行させ、緊急の際には即時修復を行う契約をしよう"と考え浮かんだ。 自力で欠損した箇所をくっつけるには大きく時間を要してしまう。だが、彼の腕に掛かればその致命的な欠点を補ってもらうことができるだろう。 彫刻師は興奮気味に、二つ返事で快諾した。 サインを書き記すと、ふたりは都会の近郊にある小さな町へと旅立ち、小さな仕事から始めることで徐々に名を広めていこうと決めた。 パン頭の住民たちが食い入るような視線をこちらに向けてくる。パンだけに。 それでも構わずに、安価なボロ小屋をなんとか借りたり、協力して大きな立て看板を作ったりして店の準備を整え始めた。 助手となった彫刻師は景気付けとして、"石を求めよ"という字が印されたTシャツを彼女に手渡した。 こうして、彼女たちの世にも卦体な『何でも屋』としての人生が幕を開けたのであった――

インプレッション